寝つきが悪いなあ、熟睡できないなあ、とお悩みの人はどうやったらしっかり眠ることができるのだろうと、睡眠改善方法をネットで検索したりする人が多いと思います。
そうした時、必ず目にするのがメラトニン、セロトニンという言葉かと思います。
いったいセロトニン、メラトニンって何なの?睡眠にどんな関係があるの?と思っている人も多いかと思います。
この記事では、メラトニンの働きや効果、さらにはセロトニンとメラトニンの関係について説明していきます。
コンテンツ
メラトニンとは何?
メラトニンは、脳の松果体と呼ばれる部位でセロトニンを材料にして作られる睡眠ホルモンです。
朝起床してから、14時間後からメラトニンは分泌され始め、2時間で分泌量はピークに達します。
例えば、朝7時に起床すると、午後9時からメラトニンの分泌が始まり、11時にピークとなります。
メラトニンの働き
睡眠ホルモン「メラトニン」には、一体、どのような働きがあり、どんな効果をもたらしてくれるのでしょうか?
1つずつ、みていくことにしましょう。
催眠作用
脳内の松果体という場所でメラトニンは作られ、分泌されます。
メラトニンには、深部体温(体内部の体温)を下げる働きがあり、分泌量がピークなる時間に合わせて、眠るようにすると、入眠がスムーズになります。
ただ、メラトニンの分泌は光刺激によってストップします。
つまり、夜にパソコンやスマホなどを操作しブルーライトを浴びる、コンビニなどの明るい場所に行くなどして光刺激を受けてしまうと、メラトニンの分泌不足が起こり、夜、なかなか眠れなくなってしまいます。
体内時計の調整
メラトニンは、夜に分泌され、日中は分泌されません。
この分泌リズムは、昼活動する場合も、夜活動する場合も同じで、メラトニンの分泌が1日24時間の生体リズム(体内時計、概日リズム)を作り上げています。
朝、遅くまで寝ていて太陽の光を浴びない、不規則な生活を続けると、メラトニンがうまく分泌されなくなり、体内時計が乱れ、夜になっても眠れない睡眠障害が引き起こされます。
抗酸化作用
メラトニンには、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。
細胞の酸化は、老化につながります。
例えば、肌細胞が老化するとシミやシワができやすくなります。血管細胞が老化すると動脈硬化や高血圧が起こりやすくなってきます。
脳細胞が老化すると脳機能の低下や認知症が起こってきます。
こうした様々な体や脳の老化を防いでくれる効果がメラトニンにはあると言われています。
免疫力の強化
メラトニンは、免疫細胞であるNK細胞を活性化させたり、抗体の産生を促す作用があります。
つまり、メラトニンは、免疫力を強化し、外部から侵入してくる細菌やウイルスなどをやっつけてくれます。
セロトニンとメラトニンの関係は?
メラトニンはセロトニンから作られる!
メラトニンは、セロトニンを材料に作られ、分泌されます。
つまり、セロトニンの分泌量が少ないと、メラトニンが少ししか作ることができず、分泌量も少なくなります。
夜、メラトニンがしっかり分泌されるためには、セロトニンが日中に沢山分泌されている必要があります。
メラトニンとセロトニンが生体リズムを作っている!
メラトニンは、夕方から夜にかけて、つまり、太陽が沈んで暗くなってから分泌されます。
一方、セロトニンは、朝から夕方まで、太陽が上がり明るくなると分泌され始めます。
しかも、メラトニンは、朝、起床してから14時間後に分泌がスタートすると分泌開始時間が決まっています。
この日中はセロトニン、夜はメラトニンと分泌される時間が決まっていることが、1日24時間の生体リズムを作り、朝になると目が覚め、夜になると眠くなる覚醒と睡眠のリズムを作り出しています。
また、メラトニンとセロトニンは、相反する役目をしています。
メラトニンは、夜に分泌されるホルモンですから、リラックス神経である副交感神経を活発にさせ、休息・睡眠へと導きます。
一方、セロトニンは、日中に分泌されるホルモンですので、交感神経を活発にし、覚醒・活動モードへと導きます。
まとめ
メラトニンは、睡眠を促すホルモンでもあり、朝起きて夜眠るという睡眠覚醒リズム、体内リズムを作り上げているホルモンでもあります。
メラトニンの分泌が減ると、夜眠れなくなったり、1日24時間のリズムが乱れることにつながります。
そして、そのメラトニンを作る元になっているのがセロトニンです。
セロトニンを増やすことは、メラトニンを増やすことにつながります。
夜スムーズに眠るためにもセロトニンは重要で、セロトニンとメラトニンは、切っても切り離せない関係にあります。