最近、睡眠を改善すると謳ったサプリメントが販売されていますが、そもそも睡眠サプリで寝ることができるの?どんな成分が入っているの?安全面は?睡眠薬との違いは?など疑問に思っている方も多いと思います。
そこで今回は、睡眠のサプリメントについてお話をしていきます。
コンテンツ
「睡眠薬と睡眠サプリの違いは?」
分かりやすく言うと、医薬品か食品の違いです。
睡眠薬・睡眠改善薬
心療内科などの専門医から処方される睡眠薬は、睡眠に関係する神経伝達物質や生理的なホルモンなどの分泌を促すことで眠気を高める作用をもった薬です。
睡眠薬には、その作用時間から、超短時間作用型と短時間作用型、中間作用型、長時間作用型があります。
超短時間作用型は、お薬の効果がある時間が非常に短いので睡眠導入のために用いられるお薬です。
短時間作用型、中間作用型や長時間作用型のお薬は、効く時間が長く、睡眠障害のタイプ(早朝覚醒、中途覚醒など)に合わせて使い分けます。
また、睡眠薬には副作用が出る場合もあり、めまい、ふらつき、吐き気などが副作用の代表例です。
睡眠改善薬は、一般的にかぜ薬などに含まれる眠くなる成分が配合されおり、一時的な寝つきの悪さ、眠りの浅さに対して、ゆるやかに眠りを導くような効果がある薬です。
サプリメント・健康補助食品・機能性表示食品
サプリメントとはでも説明しましたが、あくまで健康補助食品、栄養補助食品なので、名称の通り、栄養や健康を補助する食品です。
ですので、普段の食事から摂取できるものをサプリメントから『補助』する必要はありません。
どうしてもサプリメントを摂取したい場合、睡眠薬と違い即効性はあまり無いので最低でも3ヶ月、理想は6ヶ月継続して摂取すること。
そして、サプリメントでも科学的根拠がしっかりしている機能性表示食品を使用することをおすすめします。
「睡眠を改善するサプリ?」
睡眠を改善する成分の中で、機能性関与成分(機能性表示食品)として受理されている成分は、グリシン、ギャバ(GABA)、テアニン、ラフマ葉エキスの4成分です。
また、バレリアン、パッションフラワー、クワンソウなども睡眠を改善する効果がある成分とは言われていますがまだ機能性関与成分として認可されていません。
そして、睡眠改善効果のある成分を組み合わせて配合されたものを、通称「睡眠サプリ」と呼ばれています。
現在、市場には、数多くの「睡眠サプリ」がありますが、サプリメントだからといって副作用が全くないわけではありません。
ですので、選ぶ際には、科学的根拠がしっかりしている機能性表示食品を選ぶことをおすすめします。
では、「睡眠サプリ」と呼ばれる商品に配合されている各成分の特徴を説明していきます。
「グリシン」
コンビニ弁当や加工食品にも多く使用されている『添加物』です。グリシンは、脳の抑制系神経伝達物質で、血管を拡張させる作用があります。
血管を拡張させることで、体表面からの熱の放出を促し、深部体温を下げることで、深い眠りを促すと言われています。
実際に、就寝前にグリシンを摂取することで、深い睡眠であるノンレム睡眠の時間を長くする効果があるとした研究報告があります。
ただ、グリシンは魚介類、ホタテなどの魚介類や豚肉・鶏肉・牛肉などの動物性たんぱく質に多く含まれていますし、体内で大量に合成される物質のため、一般的に、グリシン不足に陥ることはありません。
なんでもかんでもサプリメントではなく、サプリメントを使用する際は、サプリメントでしか摂取できない成分を含んでいるものを選択されることをお勧めいたします。
-
グリシンには、どんな効果があるの?副作用はないの?
皆さんは、グリシンという言葉を聞いたことがあるでしょうか。 睡眠に悩みを持っている方なら聞いたことがあるかもしれませんね。 ではこのグリシンという成分には、一体、どのような働きがあるのでしょうか? こ ...
続きを見る
「ギャバ」
ギャバの効果で思いつくのは血圧を下げる効果とリラックス効果だと思いますが、最近の研究ではGABAには睡眠の質を向上させる効果もあることが分かってきました。
GABAは、グリシンと同じく脳の抑制系神経伝達物質です。
脳の興奮を抑えることで、心身をリラックスさせ、ストレス軽減効果を発揮します。
また、ノルアドレナリンなどの興奮系神経伝達物質の働きを抑えることで、血圧の低下や睡眠改善効果を発揮します。
ただ、ギャバもグリシン同様に、体内でも合成されていますし、トマトやなす、かぼちゃ、みかん、ぶどうなど野菜や果物に多く含まれており、食事から十分量摂取することが出来ます。
ちなみに、トマト100gあたり50mgのGABAが含まれています。GABAの一般的な摂取量は50mgので、食事から必要量を摂取することは意外と簡単です。
(通常サイズのトマト1個は150gほどです)
その他、納豆、発芽玄米、キムチ、チョコレートにもGABAは含まれています。
つまり、GABAもグリシン同様、サプリメントからの摂取にこだわらなくても、食生活を見直すことで必要量を摂取ことは可能なのです。
「テアニン」
テアニンは、茶葉に含まれる成分です。
リラックス時に発生する脳波であるα波を増やすとともに、副交感神経の働きを活発にすることで、神経の高ぶりを抑えて、心身をリラックスさせます。
結果、睡眠前に、テアニンを摂取することで、入眠がスムーズになり、深い眠りを促してくれます。
テアニンは、紅茶や緑茶など様々なお茶に含まれている成分ですが、、お茶でテアニンを摂取する場合、湯飲み換算で20杯ほど飲まないと推奨されているテアニン1日摂取量200mgは摂取できません。
また、お茶には、カフェインも含有されているため、飲みすぎると、神経が高ぶり、逆効果となります。
テアニンを摂取しようとする場合は、お茶からではなく、サプリメントから摂取する方がよいです。
ただし、テアニンの長期服用についての安全性は確立されていませんし、妊娠時や授乳時の服用についての安全性も確立されていません。
サプリメントでテアニンを摂取する場合は、十分、注意して服用する必要があります。
「ラフマ葉エキス」
ラフマ葉エキスは中央アジアからヨーロッパにかけて自生しているラフマという植物の葉から抽出されるエキスです。
ラフマが自生している地域では古くから薬や天然のハーブとして親しまれてきました。
ラフマ葉エキスには、様々な効果がありますが、そのうちの1つにセロトニンを増加させる作用があります。
セロトニンは、別名「幸せホルモン」と呼ばれ、心の安定を保つ作用があります。
また、セロトニンは、質の高い睡眠を得るうえで重要なメラトニンを作る材料となります。
セロトニンが増えることで、イライラや不安が弱まり、心が安定するとともに、メラトニンが増えることで、睡眠がスムーズになり、深い睡眠を得ることができます。
睡眠改善だけでなく、うつ病や不安障害で起こる憂鬱な気分や不安感を弱めて、心の安定を図ってくれるラフマ葉エキスは一石二鳥の天然成分と言えます。
ラフマ葉エキスを摂取した際の副作用についてですが、過剰摂取しない限り、悪心、嘔吐、めまい、心拍数低下などの副作用は起こりません。
また、心の安定効果のあるセントジョンズワートと違い、薬と併用しても問題はありません。
睡眠障害やうつ病、不安障害に悩まされているけれども、薬を飲むのは怖い!嫌!と抗うつ薬や睡眠薬を服用することに抵抗感のある方でも使用できますし、治療の中で薬を減薬する過程で使用することもできます。
これらのことからラフマ葉エキスの機能性表示食品(機能性関与成分・ラフマ由来ヒペロシド及びイソクエルシトリンと記載があるもの限定)は心療内科医・精神内科医や睡眠専門医からも支持されています。
「参考程度に実験結果を掲載します」
健常者の男性を対象に実験をしたところ、
- ラフマ葉エキス25mg
- GABA25mg
- ラフマ葉エキス25mg+GABA25mg
- プラセボ(偽薬)
上記4パターンの中で「ラフマ葉25mg+ギャバ25mg」の配合がストレスに対して、最も相乗効果があると判明しました。
この実験結果を参考にすると、ラフマ葉とギャバは同じ配合量を同時摂取することが重要です。
ただし、科学的根拠のある機能性表示食品として受理されるには(ラフマ由来ヒペロシド、イソクエルシトリンが各1mg配合)、ラフマ葉エキスとして1日当たり50mgの配合量が必要になります。
よって、ラフマ葉エキス50mgとギャバ50mgを同時摂取すると、ストレスにも効果を発揮します。
そのような同時摂取できるサプリメントが無い場合、お手数ですが、1日あたりラフマ葉50mg、ギャバ50mg、別々の商品を購入して同時摂取することもおすすめします。
ストレスは、睡眠とメンタル(うつ病など)に相当な悪影響を及ぼすのでストレスケアは怠ってはいけません。
「まとめ -睡眠サプリの効果は?-」
・サプリメント
まずは食生活を見直す
3~6ヶ月間は継続摂取
・グリシン
食べ物から摂取できます
食品添加物扱い
原価が非常に安い
・ギャバ
中途覚醒やリラックス効果あり
副産物で血圧にも良い
食べ物から摂取できます
・テアニン
α波を増やして入眠に効果あり
お茶でテアニン摂取は危険
食品添加物扱い
・ラフマ葉エキス
セロトニンとメラトニンを増やす
入眠、中途覚醒、目覚めに効果あり
食事から摂取出来ないのでおすすめ
ギャバと相乗効果も期待できる
・ストレスは睡眠障害の大敵
睡眠障害やうつ病の原因になる
食生活は基本なので、まずは食生活から見直しましょう。
それでも効果が無いようでしたら、睡眠サプリを摂取して睡眠の質の改善や向上に役立ててください。
サプリメントを摂取して睡眠の悩みを改善したい方におすすめは、ラフマ葉エキス配合サプリメント(ラフマ由来機能性関与成分)です。
ラフマ葉エキスは睡眠薬や抗うつ薬などメンタルのお薬と併用可ですし、サプリメントを摂取している睡眠障害の患者様にお聞きすると、グリシン、ギャバ、テアニンなどより、ラフマ葉エキスの機能性表示食品(機能性関与成分・ラフマ由来ヒペロシド・イソクエルシトリンと記載があるもの限定)のほうが効果はあるようです。
ですから、心療内科医も安心しておすすめしています。